2018/01/30

みそがこの世に誕生して1300年以上!発祥地とルーツ秘話

朝日

 

 みその発祥地は中国?日本?韓国?

日本が誇るスーパーフードのひとつ「みそ」。長年日本人国民に愛されているみそですが、その歴史は1300年以上前にさかのぼります。みそはもともと食物を保存する役割を果たすためのものであり、現在のような調味料ではありませんでした。昔は、「未醤(みしょう)」や「美蘇(みそ)」など呼ばれており、これが後に「味噌(みそ)」と呼ばれるようになったそうです。

そして、みその発祥地は、「中国」「日本」「韓国」という3つの説があるようです。どれが正しいのかはいまだ解明されていません。さて、なぜ諸説あるのでしょう。まずみその起源となった「醤(ひしお)」について調べてみました。

 みその起源は食物保存の「醤(ひしお)」 偶然できた大発明

古代は、食物を保存する冷蔵庫のようなものはありません。気候により食物の腐敗は左右されるため、様々な方法で保存していました。そのひとつが、狩った獣や魚などの獲物を塩漬けにすること。食物の腐敗を防ぐうえ、旨味が引き出されたようです。狩猟生活を行っていた時代は、獣肉や魚肉等をつぶし、雑穀の麹と塩や酒を混ぜて約100日熟成させていました。ちなみに、肉を使用したものは「肉醤(ししびしお)」、魚を使用したものは「魚醤(ぎょしょう)」と呼ばれています。

そして、農耕生活が始まったころに「穀醤(こくびしお)」が誕生。大豆や小麦などの穀類を煮て、常温にもどし塩漬けにする方法です。穀醤をつぶしてペースト状にしたものが、みその原型だといわれています。また、穀醤の作り方こそが、みその作り方の原型になったのではともいわれています。

 みそは紀元前700年前に誕生。中国誕生説って?

まずは、みそが古代中国で誕生し、その後日本に伝えられたという説。紀元前700年ごろ、中国の周王朝の古文書「周礼(しゅうれい)」に、「醤」が記されています。みその起源となった「醤」の漢字が記されていることから、みそが初めて醸造されたのは中国だと認識されたようです。

また、日本の飛鳥時代から奈良時代には、中国から遣唐使が来日し、稲作や仏教などのさまざまな中国文化が伝えられました。その中に「醤」も存在しました。日本で初めて「醤」が見られるのは、平安時代の西暦701年の「大宝律令」に記されている「未醤(みしょう)」という文字。中国で誕生したみその原型「醤」を、その後、日本で工夫を重ね独自の製法により、みそとして生み出したと考えられます。

現在の中国料理に醤はかかせません。豆板醤(トウバンジャン)、甜麺醤(テンメンジャン)、辣醤(ラージャン)、暇醤(シヤージャン)、豆(トウシ )などさまざまなものが愛用されています。醤を使用した調味料が数多く存在していることからも、みそは中国発祥のものと有力視されているかと思います。

 みそは縄文時代からあった!紀元前131年紀の日本誕生説

みそは中国で誕生した説が有力ですが、日本で誕生したものだという説もあります。実は、文人の生活跡から、どんぐりを原料とした「縄文みそ」と呼ばれる食品があったと判明。また、縄文時代後期から弥生時代にかけ、穀物を塩蔵していた形跡も発見されています。日本の国土は温暖多湿。独自の発酵食品が誕生してもおかしくないような気候です。

中国が紀元前700年前に誕生していたのに対し、縄文時代は紀元前131世紀(13100年)~紀元前10世紀(10000年)ごろ、弥生時代は紀元前10世紀(10000年)~紀元前3世紀(3000年)中ごろ。「縄文みそ」が世界初のみそとなったという説も否めません。飛鳥時代~奈良時代、日本は中国の遣唐使によりさまざまなものを伝来されました。伝来されたものをもちいて、縄文みそを日本独自のみそに変えていったのではないかとも考えられます。

奈良時代、唐招提寺の開祖である鑑真和上が来日した際には、奈良の都には既に「未醤専門店」、「醤専門店」があったといわれています。ですが、当時の未醤、醤がどんなものであったかという記録は残念ながら残されていないようです。とはいえ、両専門店とも、政府から許可を得て開店したもの。未醤も、醤も、庶民の生活に溶け込み、不可欠な食品になっていたと考えられます。日本でみそが誕生したという説も十分考えられるのではないでしょうか。

 みそは大豆の原産地である韓国説。原始時代に原型があった?

みその誕生は、大豆原産国の韓国だという説。「朝鮮食物誌」(鄭大聲著)には、「大豆を原料としたみそや醤油の原型は朝鮮半島から来た」と記されています。理由は、大豆の原産地が朝鮮半島であること。民族の知恵により、みそを誕生させたと述べられています。

また、韓国の研究士の発表では「平壌市のナムギョンとピョデで発掘された遺跡に大豆がある。これは紀元3000年中盤の古代朝鮮の時期に認定できる」と説明されています。この時代にはすでに高度な農耕技術があり、大豆以外の五穀も発掘。豆に関することわざや成句が100種類以上と膨大にあることから、大豆が朝鮮民族の食を支えてきた食材だと唱えているようです。

そのほか、「朝鮮料理講座」によると、韓国のみそ汁は約1500年以上も前から平壌中部地方を中心に食べられているのだとか。現在も、さまざまな具材を使ったみそ汁が親しまれているようです。

日本のみその履歴書~平安時代から戦国時代~

 

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