記事／写真：実践料理研究家 岩木みさき
京都駅より電車で約15分、JR山陰本線嵯峨嵐山駅北口より徒歩1分の場所にある発酵食専門店「発酵食堂カモシカ」。
2014年5月にオープンされ「発酵食を台所に取り戻してもらいたい」という想いをテーマに営業されています。
今回、ガチみそでいつもお世話になっている味噌蔵「片山商店」さんにご紹介していただき訪問してきました。（片山商店：〒621-0013京都府 亀岡市大井町並河3-8-11）
木を基調としたナチュラル仕様の店内には、旬の食材をはじめ発酵にまつわる自家製シロップや調味料などが取りそろえられています。
暖簾（のれん）やエプロンは縄文時代から日本人が慣れ親しんできた「麻」を使用、お料理を盛る器はオーダーメイドの漆器とこだわりがいっぱい詰まったお店です。
発酵食を作っているのは目には見えない小さな微生物たち。
発酵食を取り入れることで沢山の命に活かされ、元気になることができる。
そんな発酵食が全てのメニューに使用されています。
↑発酵8種定食（冷）￥1300（税込）
「発酵食は色々あることを知ってほしい」という想いから考案された「発酵8種定食」。（全品 ￥1300（税込））
①自家製練り梅ソース 豆腐のせ
②自家製味噌 豆腐のせ
③古式製法さばへしこ
④魚醤（いしる）のピリ辛こんにゃく
⑤柚子胡椒 燻製煮卵のせ
⑥ふぐの子の糠漬け 燻製煮卵のせ
⑦地場野菜のピクルス
⑧お揚げの発酵あんかけ（温）or にんにく醤油あん（冷）
お米は化学肥料不使用、おみそ汁は京都の白みそを使用し、柚子風味に。
おみそはそのままのせて使ったり、味付けにしたり、おみそ汁にしたり！おみそも色々な形で使われていました。
↑麹納豆丼 ￥900（税込）
単品で丼物や魚醤を使用したラーメンの御膳、無農薬レモンの酵素ジュースや無農薬すだちのスパイシージュースなどもあります。
↑甘酒チョコパフェ ￥900（税込）
アイスは甘酒をベースに、カカオ、ラム、シナモンを加えて。シロップも甘酒をベースに、カカオ、シナモン、カルダモン、クローブを混ぜているそう。チョコレート×スパイスはご褒美に食べたくなる大人のスイーツ。実はチョコレートも発酵食品なのです。カカオ豆の実から種を取り出し、発酵させることでチョコレートの香りと味の成分が生まれます。
↑修道院ガレット ￥500（税込）
生地は干しぶどうを酵母にして作り、中身のキャラメルのつなぎには米飴を使用されているそうです。フルーティーな独特の風味がクセになるスイーツ！
↑（左）オーナーの関さん
人を健康にすることがしたかったとお話して下さったオーナーの関さん。
もともと医療関係のコンサルティングのお仕事をされていましたが、出産を機に食に対する意識が大きく変わったと言います。
出産時にお世話になったという愛知県岡崎市にある吉村医院（〒444-0834 愛知県岡崎市柱町字東荒子123）では、医院に隣接してある築300年の古民家で妊婦さんが薪割りをしたり柱を磨いたり雑巾がけをして、自然なお産に必要な力強くしなやかな身体と心を養いながら過ごすのだそう。
妊婦仲間の皆さんと生活を共にする中で「色々なものを手作りすることが健康のベースとなる」と強く思い、発酵食堂カモシカを作られたそうです。
また、「1人でも多くの方に食を見直すきっかけを作れたら」と、来店できない人のために、最近では自ら出向いて企業様向けにみそ作りやぬか床作りのワークショップなどの活動に取り組まれています。
↑ 発酵食堂カモシカのメインキャラクターの“カモシカ氏”。口癖は「～カモ♪」
優しく、ひたむきな熱い想いがたくさん詰まった発酵食堂カモシカ。
日常の中に取り戻したい発酵のことを、美味しい食事を食べながら学べる場所です。
誰かの想いがギュッと詰まっている食事は美味しいだけでなく、生きる源になる。
活動の拠点は異なりますが、私も関さんと共に「食を通して健康を伝える」活動を続けていきたいと思います。
京都駅からもアクセスしやすいので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか？
「発酵食堂カモシカ」
営業時間：11：30～17：00
定休日：日曜日・月曜日
アクセス：JR山陰本線 嵯峨嵐山駅 北口徒歩1分
住所：〒616-8371 京都市右京区嵯峨天竜寺若宮町17-1
Tel：075-862-0106
HP：kamoshika.kyoto.jp
「発酵食堂カモシカ 発酵マルシェ」（カモシカ食堂の姉妹店）
営業時間：11：30～17：00
定休日：不定休（基本無休）
アクセス：JR山陰本線 嵯峨嵐山駅 北口徒歩3分
住所：〒616-8371 京都府京都市右京区嵯峨天竜寺若宮町21-2
Tel：075-748-0186
HP：kamoshika.kyoto.jp