2019/01/28

管理栄養士磯村優貴恵さん×茶懐石と味噌

「みそコラボ」は、岩木が素敵だなと思う方々にみそとコラボしていただく企画です。
今回は「管理栄養士の磯村優貴恵さん」にご登場いただきます。

優貴恵さんは管理栄養士さんでありながら、茶事での茶懐石の献立提案から調理を行っています。
その様子はFB等で拝見させていただいていると、毎回ため息が出る程、丁寧で美しいです。
そしてお話のされる際の言葉選びも、立ち振る舞いも美しい方です。

普段の食事では具だくさんの味噌汁が好き!という共通点を持っています。笑
今回は和のつながり「茶懐石と味噌」についてのお話です。

 

茶懐石とは・・・?

お味噌の話をする前に、まず茶懐石についてお話します。

茶懐石とはその名の通り、茶道(茶事)の際に出される懐石料理のことです。
茶事とは親しい人やお世話になった方をお招きしておもてなしをすることなのですが、
その時のメインイベントは「1杯の濃茶(こいちゃ)」です。
(濃茶とはコーヒーでいうエスプレッソのような濃厚で深みのあるお茶で、お抹茶の中では最高級のものです。)

抹茶にはカフェインが含まれているので、おなかがすいている状態で飲んでしまうと、胃が荒れてしまいます。
そのため、お濃茶をおいしく頂くための腹ごしらえとして、懐石やお酒をお出しします。
つまり、懐石を食べ終わって、「あ~おなか一杯!もう何にも入らないわ~」となってしまってはNGなのです!

 

お料理のトップバッターを飾るのは・・・?

茶懐石にはお料理を出す順番が決まっているのですが、一番初めにお出しするのが

・ごはん(土鍋等で炊いて蒸らす直前のしっとりしているもの)
・味噌汁
・向付(お刺身であることが多い。)

の3点セットです。

くほくつやつやに炊いたお米と季節の温かい味噌汁が茶懐石の始まりなのです!

 

季節を感じる味噌汁とは?

 

味噌汁で季節を表現するとしたら、旬の食材を味噌汁の具として使う!という方も多いと思います。
茶懐石では味噌汁の具(主に野菜)が1種類1つ。(2種類になることもあります。)

例えば冬であれば一口大に切り出汁で柔らかく煮た大根がぽつんと一つ入っているイメージです。
これだけでも十分に冬を表現できますが、茶懐石では「味噌の種類」を季節によって使い分けます。

大きく2つに分けると、気温が高く蒸し暑い夏場にはすっきり・きりっと赤みそで仕上げます。
逆に空気が乾燥して張り詰めている冬場にはとろりとしてまろやかな甘みのある白みそを使います。
その間の季節は、お好みによって赤と白を混ぜ合わせ、
配合は作り手がその日の気温やお客様の様子をみて、その場で決めます。
暦の上では秋でも、お茶事の当日が真夏日でしたら赤みそをいつもより多めに・・・といった具合です。

こうした細かい配合も「おもてなし」のひとつになるのではと思います。

 

味噌汁に加える「ひと手間」とは?

日常でお味噌汁を作る際は味噌漉しを使って溶かし入れることがほとんどかと思います。
しかし、茶懐石では一度、味噌漉しを使って作った味噌汁をさらに細かい目の濾し器を通して2回ほど濾します。

こうすることで口に含んだ時に全く引っ掛かりのないさらりとした汁ができるのです。
味噌の風味を均一に口いっぱい感じつつ、さらりと流れていくはかなさもまた魅力です。
また、茶懐石の味噌汁には仕上げに練り辛子を少々のせます。

こちらも赤みそと合わせると、よりスパイシーな仕上がりになり、
甘いかぼちゃでも重苦しい仕上がりにはなりませんし、
まろやかな白みそと合わせるとアクセントとなり深みも増します。

細かい事ですが、辛子(粉からし)はまず、少量のお湯で固めに練り、
その後味噌汁でとろりと落ちるくらいの柔らかさまで溶かし練り、食材の上に乗せます。

 

味噌汁のバリエーションは無限大!

味噌の種類と食材によって味噌汁のバリエーションは無限大となります。

季節や気分で変えるだけでなく、いらしたお客様の出身地に合わせたお味噌をブレンドすることで、
席中の話題となったり、その場が和むきっかけとなったりすることもあるでしょう。

日本各地で作られているお味噌ならではのおもてなしを、ぜひ日常でも取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

管理栄養士・料理家
磯村優貴恵(いそむらゆきえ)

【資格】
管理栄養士、フードコーディネーター、健康・食育ジュニアマスター、薬膳インストラクター、
幼児食アドバイザー、学童食アドバイザー

【経歴】
大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の体をサポート。
その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。
現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、
レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

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