2019/01/29

伝統技術の継承!大桶作りへ@香川県小豆島ヤマロク醤油

大桶作りは伝統の継承

香川県小豆島のヤマロク醤油の山本康夫さん率いる木桶職人復活プロジェクト=桶プロ
の大桶作りに、今年も参加してきました。今年で3回目です。


▲(写真)黒島慶子さんより

大桶を作れるの技術は日本で1ヶ所「大阪の堺市にある藤井製桶所の上芝さん」と言われてきましたが
その技術を継承しようと2011年秋から桶プロの活動が始まっています。
今年は7本の大桶が完成し、現在追加でもう1本、8本目を制作中です。

▼木桶職人復活プロジェクトとは
http://yama-roku.net/yamaroku/oke-project.html

みそも昔は木桶で作られていましたが、今ではFRPというプラスチック容器で製造されることがほとんどです。
木桶仕込みのみそ蔵はいくつ残っているか全国味噌工業協同組合連合会(みそ組合)でも知らないとのことで不明、
「減ってきている」「希少だ」そう言われながらも確かな情報がない、日本人の誰も知らないのが現状です。
だから、私は日本全国を探訪しながら木桶仕込みのみそ蔵の数を数えています。
誰に言われたわけでもないけれど勝手な思い込みで、必要な情報だと思って探訪を始めてもうすぐ3年が経ちます。

料理家、料理に携わっている者として、お伝えさせていただく立場として、確かな情報を提供したいと思うし、
美味しいと思うものがどこにあるのか知りたいし、突然なくなる日がきたらとても悲しいと思うから。

いろんなみそがあって、どれも想いが込められて造られていると思います。
何かを批判するわけではなくただ純粋に、日本人が継承してきた木桶という巧の技とみそという伝統調味料が好き。
その2つが合わさって造られた「木桶仕込みのみそ」の魅力をを一人でも多くの方に知っていただきたいと
「ガチみそ®」と名付け、拡散していきたいと思ってこの記事も書いています。

今回はそんな木桶作りのお話です。

▼ガチみそ®とは
木桶仕込みのみそのこと、職人さんの本気(ガチ)な想いが込められているみそのこと
2016年春、岩木みさきがイベントスタッフ様と一緒に生み出した造語で、商標登録済み。
※木桶は自然の影響を受けるので、扱うのが難しいのでガチに向き合う必要があるのです。

▼ガチみそ蔵リスト ※木桶仕込みのみそ蔵の数の情報はここにしかありません※
https://misotan.jp/greeting-from-iwaki-misaki/

みそが発酵する過程には微生物達が働いてくれているのですが、
微生物にとってより心地良い環境を作り出してくれるのが木桶です。
木桶を洗っても微生物は住み続けるので、桶がもつ100年以上の間その蔵の個性が作りみその味を造り出します。
木桶を使われている蔵元さん達は「木桶じゃないと造れない味がある」と言います。

そんなそれぞれのそこにしかない味に出逢いたいと思うのです。

 

2019年の大桶作りの様子

 

大桶作りが行われているのは香川県小豆島にあるヤマロク醤油さん。

私は海外出張のスケジュールなどもあり最後の2日だけの参加となりました。
例年に比べ、参加者が多かったです。
皆さん各自手弁当で参加、現場では誰が指示をするわけではないけれど、ドラム缶の上にあがって作業したり
木くずのお掃除をしたり、自分に出来ることを作業しています。
醤油蔵の職人さん、酢や酒蔵さん、デザイナーさん、料理家さん、ラーメン屋さん、
問屋さんや商社や物流関係の方など、全国各地から様々な方が参加されています。
みそ蔵さんにはおひとりだけ会いましたが、毎年みそ専門の蔵の方がほとんどいらしゃっていません。
みそ蔵の皆様、来年はぜひ一緒に参加しましょう!!

私が到着した頃は、最後の2本の桶の箍入れと底板を入れる作業の時でした。

 

竹で作る「箍(タガ)」。竹を編み込みながら作る箍も、伝統技術のひとつです。
桶を締める役割を担います。

 

竹に麻紐を巻いて箍の内側に入れる芯となる部分を作っている作業の様子。
みんなで声を出しながらクルクルと巻くのですが、これが結構大変。でも一体感が生まれます。

 

 

底板をつなぐ前に、皆で想いを書いていきます。
100年後、その木桶が解体される時まで桶の作り出す味わいが素晴らしいものになるように。
100年後、そこにいる方々に伝統技術が継承されるようにと想いを込めて。

 

板と板を繋ぐのは竹で作った竹釘。すべて手作りです。

 

 

板をつないだ後は機械と手作業で丸く形を作っていきます。
この細かい作業がとても重要。直さんとしんさんの技が合わさり作られます。
そしていよいよ底入れ。

 

 

 

  

「せーのっ!」の掛け声を何度も何度も繰り返しながら、ミリ単位で底板を側板にはめ込んでいきます。
今回初めて、私も木桶の中でお手伝いさせていただきました。
木桶の中にいるとその絶妙な力加減を感じました。「息を合わせる」空気を感じます。

 

みんなで見守りながら、出来上がった木桶に水を張って漏れのチェックをして完成となります。
ぴったりハマるって、とてもすごいことだと改めて思います。

 

 

「何しに行くの?」「何するの?」
そんな質問をよく受けるのですが、その答えは「行ったら分かるよ」。

何百年も前から継承されてきた技術には日本人の知恵や繊細さを感じて感動するし
単に作業するだけではない、思いやりや温かさを沢山感じられる現場がとにかく大好きです。

ここでの経験は生きていく上でとても大切なことを教えてくれていると思うし
木桶が繋げてくれる出逢いは揺るぎない人との繋がりを感じさせてくれます。

少し大げさな言い方かもしれませんが、
生きていく中での自分の使命、生きる理由を見つけられた気がするし、
料理家として頑張るエネルギーをもらっています。

「毎年、ここへ来たい。来年も必ず来よう。」心からそう思います。

 

 

 

作業途中の昼食はヤマロク醤油のスタッフ様方、時にはラーメン屋さんの皆さんが作ってくださいます。
木桶仕込みの醤油や味噌もそろって、差し入れのおやつも木桶仕込みの調味料を使用したものや
発酵調味料を使用したものが多く並んでいました。

 


▲(写真)黒島慶子さんより

木桶作りの材料や道具を全てそろえて、加工して、参加する方々へ多大なるご配慮くださった
ヤマロク醤油五代目山本康夫さん、大工の坂口直人さん、大工の三宅真一さん、ヤマロク醤油のスタッフの皆様、
今年も大変お世話になりました。

そして大桶作りに携わられた皆様、お疲れ様でした!
また来年も皆様とご一緒出来ることを楽しみにしています。

 

消費者である私たち一人一人が生産者さんの想いを知り、実際に購入し使用していくことが
「美味しいもの」を未来に繋いでいきます。

自分に出来ることをただひたすらに、コツコツと続けていくことが
木桶という伝統の継承に繋がると信じて、
「生産と消費のサイクルを紡ぐ」をテーマに日々歩んでいきたいと思います。

2019.1 岩木みさき

(文・撮影/岩木みさき)

コメントを残す

*

CAPTCHA