“武豊 秋のおもてなしキャンペーン” 蔵紹介④南蔵商店/愛知県武豊町
南蔵商店は、明治5年(1872年)創業今年で147年続く蔵元さんです。
私がみそ探訪をはじめた初期、豆みそを造る蔵で最初に訪れたのが南蔵商店でした。
立派な蔵の中に溜まり醤油桶60本・豆みそ桶25本が並ぶその景色は圧巻で、感動したことを今でも覚えています。
南蔵商店の初代青木弥右エ門(青木藤助)は農家の出身、仕事を自由に選べる時代になり確実に実績をつくり、
2代目青木弥右エ門(青木徳太郎)が初代の教えを忠実に守り事業を拡大していきます。
3代目青木弥右エ門(青木良一)が家業を継いだ頃は経済混乱の時代でしたが、
「より品質の良いものを造れば必用とされる」と、この頃から科学的なデータの構築も開始します。
この日、案内してくださったのは6代目の青木良之さん、現在27歳。
大学卒業後は広い視野を学ぶために海外留学もされ、現在は5代目青木弥右ヱ門さんと共に製造を担っています。
この写真の右にあるのが “さし桶” 。
1日置くと桶の中のさし桶にたまりが溜まるので、汲んでかける作業を1本の桶でだいたい15分かけて行ないます。
1本の桶に15分、仕込み立ての時期はこれを毎日十数本行ないますが、
柄杓(ひしゃく)は1~2mあり、全身を使っての重労働になります。
製品は大豆と塩のみで製造されており、小麦は一切使用していません。
グルテンフリーの需要が高まっている海外からも多くの注文が来ているそうです。
桶の中には6tの豆みそが仕込まれており、1個5~6kgの石が1.5~2tのっています。
重しをのせることで、少ない水分を全体に均一に行き渡らせるようにしているのです。
写真の液体はみそのたまりで、うまみが凝縮された液体です。
「コクはあるけど爽やかな味わいを目指している」とお話いただきましたが、まさに
豆みそ独特の酸味と苦味そしてコクなど、とてもバランスが良いなと感じる豆みそだと思います。
南蔵商店へ続くこの道は武豊町の町並み撮影スポットとしてオススメです。
「品質管理を徹底し、いくらデータをとっても二度と同じ製品は出来ないと感じるから
溜まり醤油や豆みそ造りは “一期一会” の世界と想っています。」
とお話して下さったのは5代目青木弥右ヱ門さん。
南蔵商店では代々名前を襲名する伝統があり、これも蔵の特徴のひとつです。
普段は蔵の見学が随時受け付けていないので、
武豊秋のおもてなしキャンペーン中にぜひ蔵見学に行っていただきたいです。
店舗情報
*南蔵商店 青木弥ヱ門
*住所:愛知県知多郡武豊町里中58
*電話:0569-73-0046
*営業時間:9:00~17:00
*定休日:土・日・祝日
*サイト:https://minamigura.com/